back numberというバンド。
back numberというバンドに惚れてしまった。
清水依与吏という人に惚れてしまった。
とかいう。そういう。
back numberを知ったのは2011年。
バイト先で流れていた「花束」に一耳惚れをした。一目惚れ的な。
どうやら有線でとてもプッシュされているらしい。店内で働いていてもしっかり聞き取れるその優しい声と歌詞に、好きだ!と確信するのはあっという間だったように思う。
カラオケにいけば、『最近の曲みたいなんだけど、絶対に流行ると思うの!』と豪語していたらしい。(最近友達に言われた。)その年、別のバンドが目的でとった夏フェスにback numberの文字を見つけて、同行者に『なにがなんでもこのバンドの花束が聞きたい!』とわがままを言い、少しだけ遠くで見た記憶もある。
しかし、この「花束」という曲からわたしはback numberに踏み入れることはしなかった。同時期に発売された「short hair/BaseBallBear」にも一耳惚れをしていたのだ。
BaseBallBearのインタビューを読み、咀嚼すればするほどに、ストリングスが入るback numberの楽曲たちに違和感を感じてしまった。
(BaseBallBearは2016年まで、ストリングスや同期音を一切使わないというルールのもとで活動していて、そこにわたしは強い美学を感じていた。)
2013年、学校の食堂で「高嶺の花子さん」を聞いた。
やはり好きなのだ。耳ですぐに拾えてまうほどに。あのうるさい学食で聞いても心が踊るくらいに。しかし少し斜めに捉えてしまったことも覚えている。
好きなのに、なぜか好きって言えない。
2011年のあの「花束」を聞いたときの衝撃は忘れないのに、曲のチェックもそれなりして、ラジオもちょいちょい聞いていたのに。
なぜか好きを認められない。そうして時が経っていた。
back numberはその間どんどん大きくなり、モンスターバンドといわれ、気づけば『あのバンドにあんな時期から気づいていたのすごいね』なんて。言われるようになっていた。
2018年1月。
いつものように一日の始まりにYouTubeを開き、お気に入りの一曲を再生した。
おすすめ欄に出てくる「ARTIST」という曲。back numberがやっているらしい。どうやら新しい曲のようだ。
興味本意で再生した。
今までのイメージを払拭するサウンド。ループするギターの音。恋愛でもなんでもなく、作り手だからこそのあの歌詞。
「花束」を聞いたときの衝撃をもう一度味わった。
それから浪人生になるという大きな挫折をした。
毎日泣き、脱け殻になったわたしはback numberの音源を集めることにした。
そこで「SISTER」と出会い、声をあげて泣いた。
欲しかったのは叱咤でもなく、応援でもなく、寄り添ってくれる言葉だったのだと思った。
それからback numberのインタビューを読んでいるわけなのですが。(前置きのつもりがもはや本文。)
って春に下書きを書いたまま。
ナゴヤドームのコンサートを糧に半年間死に物狂いで勉強して、コンサートに行き、9月からさらにハードな日常を送りつつ、依与吏さんの好きなとこ考えてたんだけど、先日の報道を受けて、まっっっっったく気力が沸かなくなってしまったので。供養の意味でも。
大好きなんだけどなあ。
ちょっとだけ、と忍ばせてしまった恋愛感情がブクブクと膨れ上がって、知らない間に素直におめでとう、と言えないくらいには複雑な感情になってしまっていたらしい。
国家試験まであと98日。
絶対受かるからね。なんでもいいです、あなたの作った曲が、あなたの歌が聴きたいから。もう少しだけこのひねくれたファン心理とも恋愛感情ともいえないこの気持ちを抱かせてください。